宮崎県立図書館 100年のあゆみ
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地方史研究と電子図書化
宮崎県地方史講座

 昭和45年以降、日本は高度成長の時代に入り、郷土の歴史に対する県民の関心も高まりつつあった。そのような気運の中で、昭和49年から、郷土に関する「地方史講座」、後継者育成の意味もある「古文書解説講座」、日本文学の流れを展開する「文化講座」、児童文化に対する読書活動研究のための「児童文化講座」の4つの「郷土文化講座」が開設され、県立図書館で開催された。これはさらに県内の市町村図書館とも連動し、県立図書館所蔵の郷土資料展や地方文化講座等が地域で開催されるまでになった。 
 地方史講座の初年度は10講座が設けられ、石川恒太郎、柳宏吉、日高次吉、野口逸三郎、比江島重孝、青山幹雄、黒木正雄、泉房子、土持穆芳の10氏が,それぞれ自分の研究テーマを持ち寄り,宮崎の歴史を概観するとともに、民俗・民話等について講義を行った。このときの受講者は573名にものぼった。この地方史講座は、のちに「地方史研究紀要」としてまとめられ、第1輯が刊行された。以来、県内の考古・歴史・民俗・文学史等を研究されている方々に調査・研究の成果を発表していただくことにより、県民の皆様に生涯学習の一環として学習の機会を供与している。昭和49年から平成13年までで延べ248名の講師を数え、研究紀要も毎年刊行されて第28輯に至る。
 また、平成11年度から地域の人たちへの便宜を図り、県内各地に会場を設定して県立図書館以外でも講座を行うようになった。(※第1輯から第28輯までの248の題名をジャンル別に分類し、目録にしました。)

昭和49年度(初年度)の宮崎県地方史講座の実績
期 日 演 題 講 師 会 場
1 5月18日 日向の考古学 県文化財専門委員
石川 恒太郎
県立図書館
2 6月15日 日向の上代期 県総合博物館長
柳 宏吉
3 7月20日 日向の中世期(平安・室町期) 郷土史家
日高 次吉
4 8月17日 日向の近世記(室町・江戸期) 県総合博物館学芸主事
永井 哲雄
5 9月21日 日向の近代記(明治・大正) 宮崎女子短期大学副学長
野口 逸三郎
6 10月19日 日向の民話について 新富町立上新田小学校校長
比江島 重孝
7 11月16日 田の神について 佐土原町社会教育指導員
青山 幹雄
8 12月21日 日向の馬について 大学教授
黒木 正雄
9 1月18日 日向の民具 県総合博物館主事
泉 房子
10 2月15日 日向の社寺について 郷土史家
土持 穆芳
宮崎県史料解読刊行事業

 昭和40年頃から郷土資料の充実が図られるようになり、古文書の収集とその刊行事業に力が入れられるようになった。昭和49年には機構改革に伴う「史料室」の設置もあり、さらに郷土資料収集の動きは活発化した。このようなことにより、昭和48年からその史料の活用をめざす刊行事業が始まる。高鍋藩の「本藩実録」等の一連の史料7種、67巻の解読に研究者2名が委嘱され、3カ年計画で始められたが、第1〜第2年次は、解読編纂にあて、昭和49年度は第2年次として宮崎県史料第1巻「高鍋藩本藩実録」が刊行された。毎年1冊ずつが刊行され、5年目からは「佐土原藩嶋津家日記」が4分冊で刊行された。その後もきょう南日誌や佐土原藩譜などの史料が続けて翻訳・刊行され、平成11年度からは「佐土原藩嶋津家江戸日記」が3名の研究者によって順次筆耕・翻訳されて今日に至っている。

史 料 刊 行 の 実 績
年度 刊行物名等 年度 刊行物名等
昭49 宮崎県史料 第1巻
高鍋藩本藩実録
平3 きょう南日誌(二)
50 宮崎県史料 第2巻
高鍋藩拾遺本藩実録
平4 きょう南日誌(三)
51 宮崎県史料 第3巻
高鍋藩続本藩実録(上)
平5 内藤充眞院道中記
52 宮崎県史料 第4巻
高鍋藩続本藩実録(下)
平6 佐土原藩騒動記
53 宮崎県史料 第5巻
佐土原藩嶋津家日記(一)
平7 佐土原藩唐船漂着記
54 宮崎県史料 第6巻
佐土原藩嶋津家日記(二)
平8 佐土原藩譜(一)
55 宮崎県史料 第7巻
佐土原藩嶋津家日記(三)
平9   〃 (二)
56 宮崎県史料 第8巻
佐土原藩嶋津家日記(四)
平10   〃 (三)
60 杉田文庫目録(図書の部) 平11 佐土原藩嶋津家江戸日記(一)
61   〃 (遺墨類) 平12   〃 (二)
62 杉田文庫俳諧資料特別展示資料 平13   〃 (三)
平2 きょう南日誌(一)
   
刊行された資料の一部
刊行された
資料の一部
地方史講座
地方史講座
考古・歴史・民俗など宮崎に関する
学習の機会を提供するため、地方史
講座を開催。
(平成14年7月)
古文書解読講座
古文書解読講座
宮崎の歴史についての興味・関心を
育み、郷土愛を高めるため、古文書の
解読講座を開催。
(平成14年8月)
電 子 図 書

1 電子図書化の目的
 本館所蔵の郷土資料のうち、その貴重価値や希少性が高いために一般閲覧に供することが困難な資料を電子図書化し、半永久的な保存を行うとともに、県民の一般閲覧へのサービス向上等に資する。

2 電子図書の内容
杉田文庫 T「軸物編」(1)杉田文庫 T「軸物編」
杉田文庫は、置県百年を記念して、宮崎市の眼科医・杉田正臣氏より寄贈されたおよそ12,000点に及ぶ貴重な資料である。その杉田文庫の多彩な作品・資料の中から、「軸物」155点について、平成11年度に電子図書化。
小村寿太郎侯 写真帖第1・2巻(2)小村寿太郎侯 写真帖第1・2巻
寿太郎侯没後30・Nを記念して、昭和16年(1941年)に外務省が特別展示した写真を県立図書館が昭和38年「第17回特別展示」のために編集し直した写真152枚を、外務省の許可をとって平成11年度に電子図書化。
日本九峯修行日記(にほんきゅうぶしゅぎょうにっき)(3)日本九峯修行日記(にほんきゅうぶしゅぎょうにっき)
日本九峯修行日記は、佐土原藩の真言宗安宮寺の住職であった泉光院・野田成亮翁が,文化9年(1812年)から6年2ヶ月にわたる九峯修行の旅の途中、各地の政治・人情・地理・風俗を手記した日記で、平成12年度に電子図書化。

杉田文庫 U「古俳諧資料編」(4)杉田文庫 U「古俳諧資料編」
 杉田文庫の中の古俳諧資料7点について、平成13年度に電子図書化。
 ・賦何人連歌(ふすなにびとれんが)
 ・賦何路連歌(ふすなにみちれんが)
 ・朗詠詩俳諧両吟(ろうえいしはいかいりょうぎん)
 ・俳諧秘伝書(はいかいひでんしょ)
 ・花の下陰(はなのしたかげ)
 ・もとの月夜(もとのつきよ)
 ・あきの名残(あきのなごり)


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